【新唐人2010年11月26日付ニュース】中国は最近、インフレを抑えるための数々の措置を発表。しかし専門家は、これらは根本的な解決方法ではなく、インフレはこれからも続くだろうと予測します。また、このインフレは人民元が長年過小評価されてきたことや低い利率などが招いたとも指摘されました。
中国国務院は、先日、食品や燃料価格を抑えるための4つの政策を発表。20日には、インフレに対応するために、小売価格全体を安定させるなどの通知を出しました。
これについて経済評論専門家のジェーソン氏はこう分析します。中国の発展改革委員会は、中央政府管轄の国有企業の圧力を受けて、これらの企業の値上げを許すものの、下請け企業の値上げは許さないだろうと分析。結果、下請け企業の倒産を招くと述べます。
経済評論家 ジェイソン氏
「出来るだけ庶民が感じ取るインフレを少なくするため、川下の中小企業に無理やり川上の企業の値上がりを消化させて、最大限社会の値上がりを負担させます。その結果、川下の企業は耐え切れず、倒産しました。最後、貧乏人が重荷を背負います」
2009年6月中旬、“金持ちと貧乏人がかけっこをするなか、庶民はどうすれば貧乏にならずにすむのか”との声がネットに出ました。
2009年の末、中国で電気料金の調整案が出され、多くの都市では水道料金、食用油、肉や野菜も値上がりしました。庶民は、全面的な値上がりとインフレへの懸念を抱き、生活の苦しさが増すのを感じ取ったそうです。
ジェーソン氏
「当局が招いたインフレですが、共産党の発展モデルを壊して解決しようとはしません。根本的な方法でインフレを解決しません。だからこれからもインフレは続くでしょう」
中国人民銀行の李・通貨政策委員は、先日、最近の物価上昇は、コストや国際的な原材料の値上がりなどが招いたと指摘。農産品の値上がりは不安定な天候と農民のやる気の低下が原因だと述べました。
しかしインフレは、人民元が長年過小評価されてきたことや過度な投資資金、長期的な低金利が招いたとの声もあります。
簡天倫
「中国は十数年も人民元を抑えてきました。これが根本原因です。第二に、金融危機以降、中国はずっと低利率策をとり、実際の有効利率はしばらくマイナスでした(預金利子がインフレよりも低い)。これはインフレのもう1つの原因です。第三に、08年末中国は4兆元を発行、09年には10数兆円の貸し付けました。当時、経済成長を維持しようとして残った負の遺産です」
最近の発表によると、10月の工業製品の出荷価格が同期よりも5%上がり、消費材の小売価格も18.6%上がり、固定資産の投資は24.4%増えました。
新唐人テレビがお伝えしました。